飲食 - 観光
チョロン市場の最も美味しい豆腐デザート
サイゴン(旧ホーチミン市)の人々は一年中真夏のような気候にも関わらず、暖かい豆腐デザート(タウ・フ・ノン=Tau hu nong)を食べるのが好きというところが可笑しいと思われている。この料理はアイスを入れると暖かい豆腐デザートの旨味を失うことを恐れて、あまりアイスが入らないわけだ。
砂糖シロップ入りの豆腐デザートは、南部の中国系ベトナム人が開発したとされている。大豆液がしっかりと濾過された後、凍らせるために調理される。加熱されている砂糖水に生姜を加えて仕上げたシロップを豆腐が入ったお茶碗にのせると完成。
サータイ市場(Xa Tay)の反対側にある暖かい豆腐のデザート屋さんはこのチョロン市場(Cho Lon)の最も美味しい砂糖シロップ入りの豆腐デザートとみられている。
屋台の持ち主の「お姉さん」は中北部クアン・ガイ省出身で、南部に出稼ぎにきたのが30年間ぐらい。中国系ベトナム人が考え出したシロップは砂糖と生姜だけだが、彼女は、食品安全の課題になるタピオカより安全で美味しい「ぶにゅっとした粒」を加えた。そして、黄色のサトウキビからの砂糖とベトナム産生姜を使うことで、鼻がとろけそうな香りが特徴的で安全なシロップが出来上がる。
この料理は暖かいものだが、食べると体が涼しく感じるといわれている。サイゴンの涼しい日に、この香ばしい豆腐一杯を食べると、やっぱりこれが寒い日にも向いているなということも分るかもしれない。